坪庭(コートハウス)のある家 メリット・デメリット8つのポイント
マイホームを建てたいと考えた時に、どんな暮らしを思い描きますか?
その暮らし方で、庭でバーベキューや子どもさんが庭で遊ぶ姿、家庭菜園など、家の外となる庭で何かをするイメージは存在しますか?
もちろん、敷地に対しての家の大きさなど関係、もしくは定年後というゆっくりとした時間が取れるまで庭の手入れはできないだろうといった問題から、「庭」という広いスペースを考えにくい事もあるかもしれません。
そんな庭の1つとして「坪庭」があります。今回は坪庭についてお伝えしていきます。
もくじ
1.メリット
1-1.坪庭(コートハウス)がもたらす豊かさ
1-2.小さなお子さまの遊び場
1-3.明るさ・広さ・適度な距離感の確保
2.デメリット
2-1.窓が増えると家の強度と建築費を考えよう
2-2.冷暖房の効率が変わってくる
2-3.坪庭をどこに設けるかでプライバシーの問題も
2-4.間取りが思った通りにならないことも
2-5.窓が増えれば、お掃除が増える
1.メリット
1-1.坪庭(コートハウス)がもたらす豊かさ
坪庭を造るという事は、比較的狭いながらも植物を置き、四季を楽しめるスペースを確保できるという事です。季節の移り変わりがはっきりとした日本ならではの季節の移ろいを、部屋から感じることが出来ます。広すぎる庭では、多忙なご夫婦で手入れができないと考えられる場合でも、坪庭は適度な大きさで手入れも負担になりません。坪庭の広さに応じたシンボルツリーを植えても良いですね。
1-2.小さなお子さまの遊び場
子供が小さいうちは、外に遊びに出したくないと考えるのが親心です。自分の目の届く範囲で、それでいて屋外で太陽の光を浴びながら遊べる環境を整えることができるのがこの坪庭の良さでもあります。
2.5m角程度あれば十分な遊び場になります。コートハウス的に囲うとプライベート空間にもなりますよね。
1-3.明るさ・広さ・適度な距離感の確保
一般的な考えとして、坪庭を設けるプランは家がコの字型が多いです。これにより窓が増えることになりますから、日中には明るさを充分に確保することができます。今現在四方を家に囲まれている土地を取得した方や、周りはまだ空いているけれどいずれ家が建て込んできた時に暗くなるのではないかと考えられる場合に、この坪庭のある家は明るさを取り入れる検討材料の一つに上がってきます。
一般的な真四角や長方形の家に比べ、視覚的な広さを感じる事ができます。真四角・長方形の家は壁で区切ることでプライバシーを保護しますが、コの字型の家は坪庭を中心にすることで、広がりを感じさせながらも部屋同士を適度な距離感で配置することができます。
居室間の圧迫感を軽減させると同時に、坪庭越しに向かいの部屋の雰囲気を伺うこともできますから、二世帯住宅で親御さんの状況を”監視している”感じを与えずに確認できるというメリットも生まれます。
2.デメリット
2-1.窓が増えると家の強度と建築費を考えよう
坪庭を造るのであれば、やはりそれを囲む部屋は窓を広く取りたいですよね。
ただし、窓(開口部)が増えるということは、その分、壁部分が無くなるので、家の弱点が増えるという事に繋がります。強度を確保するためには、工法に充分留意しなければなりません。窓やドアなど、開いた部分はどうしても弱くなりがちになります。
大きな窓(開口部)をつけようとすると、柱や梁でがっちりと支えなくてはならないため、コストが上がってしまうこともあります。
一番強く、そして建築費が安いとされるのは、真四角の家と言われているのはみなさんご存知の通りです。
2-2.冷暖房の効率が変わってくる
コの字型の家は、四角と比べて冷暖房の効率があまりよくありません。
その作りの複雑さから、階ごとに、部屋ごとに環境が異なるため、各部屋に冷暖房(エアコン)を導入する必要も生じる可能性があります。
もちろんこれは、朝や夜はできるだけリビングで家族団らんとなる”暮らし方”でカバーできるところもあります。
しかし、子供が年頃になり、それぞれが部屋で過ごすようになれば、この冷暖房コストが気になり始めるかもしれません。
2-3.坪庭をどこに設けるかでプライバシーの問題も
人通りの多い道路面に向かった位置や、隣接する家からの視線が気になるような場所にこの坪庭を設けざるを得ない土地の条件の場合、プライバシーの問題が生じるかもしれません。小さいながらも庭を楽しむためのポイントですから、できれば日中はカーテンを開けて過ごしたいものです。塀や生け垣を設置するなど、他からの視線を遮る工夫をする事で開放的で明るい室内にもなります。
プライバシーの面での予算もきちんと見込んでおいてください。そうでなければ、せっかく庭があるのにカーテンを閉め切ってしまう”もったいない家”となってしまいますよ。
2-4.間取りが思った通りにならないことも
コの字型の家は、四角と比べて複雑になるため、思った通りの間取りにならないことも考えられます。例えばリビングダイニング部分がL字型になってしまったりすることもあり得ます。
もちろん、敷地をどれだけ取れるのか、コスト高となってしまいがちな部分とどう折り合いをつけるかですから、私たちとの打ち合わせで解消できることもあるでしょう。
間取りを想った通りにできないことから、家事に伴う動線が複雑になってしまうことも考えられます。同じ敷地面積でも、真四角・長方形といった単純な形ではなく、形状を複雑にしてしまう建て方であるため、多少なりと目をつぶらなくてはならない部分として浮上する問題かもしれません。
年齢を重ねても安心してラクな家事の出来る家を目指すのならば、私たちと一緒に、検討を重ねなければならないでしょう。
2-5.窓が増えれば、お掃除が増える
坪庭(コートハウス)とのつながりとなる窓が増えれば、量にもよりますが、お掃除にかかる手間も増えてしまいます。
キレイな窓にして四季の移ろいが見える事は心が落着くマイホームとなるでしょう。
メリット・デメリットの混在する「坪庭(コートハウス)のある家」
魅力的な坪庭(コートハウス)のある家ではありますが、やはりメリット・デメリットが存在します。
敷地の面積・形状、そして予算との兼ね合いで妥協しなければならない部分も出てくるのはどんな家でも同じ。コの字型の家だから間取りが難しいということでもありませんからご安心を。
周囲を既に家に囲まれた土地や、今後どんな家が建ってくるかわからない住宅団地では、明るさ確保やプライバシーを保ちながらの解放感確保のために、この坪庭(コートハウス)のある家は大きなメリットを生みます。
間取りや日照条件に関しては、地域の専門家である私たちにお任せ下さい。
間取りにより、あまりにコの字が深すぎると、自分の家の一部が、日光を遮ってしまうこともありますからね。「実際に建ててみなければわからない部分」があるのが家ではありますが、概ねの姿・環境は、パースや模型などで確認することが出来ます。安心して、そして徹底的に相談をしてください。