リフォームをする?建て替えをする? どうする!?を4つの視点から読み解く
2016年 2月 23日 リフォーム・リノベーション 家づくり豆知識
新築の家を建て、持ち家を持つようになると必要不可欠となる悩みとなるのが、メンテナンス(老朽化)と生活様式に伴うリフォームです。メンテナンスにより住宅の寿命が伸びるのが理想です。しかし、20年、30年となると、そろそろ「リフォームか、又は建て替えか」と、考える分岐点が迫ってきます。
なぜ20~30年?と疑問をもってしまいますよね。家としては短めな寿命に感じると思います。しかし、広く認識されていることの一つとして、「高度成長期に建てた一般的な木造の住宅の寿命は約30年」であることが挙げられます。
また、2016年現在で築後30年を経過している家は、現在の高い耐震基準以前に建てられた家となります。
安全な家のためにもリフォームor建て替えについて考えなくてはならない時期に来ています。合わせて、断熱性能も貧弱な場合が多く、断熱性能を上げようと考えた場合も同様の事が考えられます。
昔に家を建てたからと一口に言っても、きちんとバランスよく補強がされている場合は耐震診断をしても耐震補強をする必要がない丈夫な家といったケースもありますので、家によりけりといった部分はあります。
耐震診断や耐震補強の1つの目安として、「新建築基準法」が1981年に施行された年より前か後か、というのが耐震にとっての一つの判断基準となっています。
では、家族ライフスタイル(生活様式の変化)や家の老朽化を感じ始め「リフォームをするか」or「建て替えをするか」を考えた時に、どのような事を判断材料にすれば良いのかを検討していきます。
例として、ご家族4人住まい、建坪30坪、3LDKの一般的な木造住宅をモデルとして想定します。
リフォームにかかる費用と建て替えにかかる費用とを比較してみます。
もちろん、設備や素材にこだわる程、費用は大きくかけ離れてゆきますので、あくまでも目安としてご覧ください。
もくじ
- リフォームの場合
- 建て替えの場合
- リフォーム・建て替えに共通の費用
- .家に対するこだわりが「リフォームor建て替え」を左右する
1.リフォームの場合
築30年あたりの家でしたら、まず水廻りの更新と間取りの変更をお考えになると思います。その他、耐震性と断熱性も取り組んでいく部分ではないでしょうか。
水まわりのリフォーム
水まわりとして、システムキッチン・システムバス・シャワートイレ・洗面化粧台が上げられます。すべての取替えだけですと、約230万円程度となります。そこから、機器を撤去したのと合わせて部屋の中や窓の入れ替えなどの工事費をプラスしていくようになります。
間取りの変更
昔の間取りは応接間と台所が分けられていました。当時は来客の人に重点を置いていたので、応接間となる部屋は立派にしておられる家が多いです。また、台所は応接間とは反対にジメッと寒い北側に配置されがちでした。
そこで、台所と応接間を隔てる壁を撤去して、広々と明るい間取りとなります。また、キッチンも対面式に出来たりするので、家族のコミュニケーションも一層深まる事でしょう。
こちらの費用は家によって様々過ぎるので、目安があやふや過ぎますが、6帖と8帖の部屋、合わせて14帖の場合で約110万円程度となります。
耐震リフォーム
30坪の家を全体的に耐震補強する場合しようとすると、約200万円程度が相場となります。耐震診断によって補強箇所が様々なので、金額は目安となります。
断熱材を入れるリフォーム
30坪の家全体の壁の断熱材を高性能の物に入れ替えると約500万円程度となります。
壁の内部に断熱材を充填する方法でしたら、先の耐震リフォームと同時に行うことで、内装部分の内壁を一旦剥がすという作業が一度ですむことから、同時施工が理想的です。再度内壁をリニューアルする必要が出てきますので、この断熱リフォームをする場合はお家に住みながらでは困難となります。
リフォームとして4つ紹介しましたが、どれも複合的に関係しあってくるので、どこまでの範囲が必要か見極めていかないといけません。
間取りを変えて、耐震・断熱リフォームと、水回りのリフォームをすると最低でも1200万円ほどはかかりそうですね。
さらに新築並にサッシも高性能ペアーガラスにしたり、外壁を塗り替えて、瓦の更新などが出てくると、約1800万円程度必要となってきます。
その他に、壁を剥いでみたら柱が傷んでいたなどの場合は、その部分だけ新しい材と取替えなどの作業が発生します。
2.建て替えの場合
こだわり次第で幾らでも金額は跳ね上がります。これはリフォームでも新築でも同じ事です。
30坪3LDKを建てた場合、約1800万円程度となります。
この新しい家のほかに、既存の家の解体工事が必要となります。 平均的な費用は130万円程度。
その他、地盤の状態や下水道の設備状況によりプラスの費用が発生します。
合計で2000万円程度は意識しておくと良いという計算となります。
建て替えのメリットとして、全てが新しくできる(間取りも見直せる)ということです。
3.リフォーム・建て替えに共通の費用
このような大掛かりなリフォーム・建て替えに共通する費用があります。 これは、仮住まいの準備と、引っ越し往復の費用です。
賃貸で仮住まいされる場合は工事期間中、家賃を払わなくてはいけません。 家賃が必要な場合で考えると、工事期間的には、リフォームの方が工期が短いので、安くあがるでしょう。
引越しの往復(仮住まいへ・仮住まいから新しくなった家へ)は、荷物の量や仮住まいとの距離により異なります。
4.家に対するこだわりが「リフォームor建て替え」を左右する
良い物はできるだけ長く使いたい、ずっと生活してきた思い出が一杯入った家への愛着、エコ意識の高まりなどの「家を取り巻く環境」や「意識の変化」からリフォーム業界も活況を呈しています。
一方で、「金額が大幅に変わらないのであれば、思い切って建て替えてより安心を得たい」「間取りもきちんと見直したい」というお考えの方もいらっしゃいます。
どちらも正解、と言わざるをえませんね。
今現在の家が、しっかりとした建物であれば上記で挙げた金額よりも少なく済むかもしれませんし、家への愛着やエコの観点からも最良の選択だと思います。
お子さんが大きくなったために、一度間取りを見直してみたいということもあるかもしれません。
また、ご自身や家族の将来を見越して、バリアフリーの家にしておきたいというお考えがある場合は思い切って建て直しを選ぶべきでしょう。
「リフォームか、建て替えか」の分岐点は、「今あるその家に対する愛着やこだわり」「これからの家族の在り方」であるはずです。 どちらを選ぶにしても、先々の家族のライフスタイルをイメージして選択していくべきです。
上記でざっと「リフォームor建て替え」の費用を出してみました。
ここでは築35年の家を想定しました。
今現在「リフォームか、建て替えか」でお悩みの方の世代はお子さまが家を出られて夫婦2人暮らしかもしれませんし、2世帯住まいになるかもしれません。世代によっては、ここはひとつ思い切ってバリアフリーを意識した家や平屋への建て替え又は2世帯住宅への建て替えを検討しておくのもよいかもしれません。
いずれメンテナンスとして、持ち家に手を入れなくてはいけません。また小規模にしろ、大規模にしろ、家に手を加えないといけない時はきます。そんな時このリフォームか、建て替えかの分岐点で「費用と将来」を頭の片隅にでも入れておく事は、後の暮らしの安心に繋がります。
大掛かりなリフォーム、建て替え共に、かなりの金額が動くのは間違いがありません。 リフォームローン、建て替え用ローンを組むことになるかもしれません。
リフォームをしても、住みづらいと感じた部分が解消されなければいけません。せっかく大きなお金を支払うのですから、失敗したという事になっては本末転倒。いろいろな事が考慮されますが、紙の上に希望を書いていき、叶えたいものと妥協出来る部分に分けていくことが、どちらかを選ぶ時の最短な方法となるでしょう。
まとめ
ご家族4人住まいの建坪30坪、3LDKの一般的な木造住宅ならば、
1.リフォーム
1200万円ほど考えておくと無難。 実際にリフォームにとりかかってみて、柱など大事な構造部分の腐食に気付くこともある。
2.建て替え
既存の家の解体と、新しく建てる家とで、合計約2000万円程度。 間取り、気密性なども見直せる良さがある。
3.リフォーム・建て替えに共通の費用
仮住まいの家賃と、引っ越し2回分を見込みましょう。
4.家に対するこだわりが「リフォームor建て替え」を左右する
リフォームでも建て替えでも、大きなお金が動きます。 今後の住まい手自身の変化を考えた上で、リフォームか建て替えかを検討しましょう。
リフォームか、建て替えか、どちらを選ぶにしてもやはり優先されるべきは「安全・安心」であることが一番だと思います。
エコ意識とのバランスで、悔いのない選択をしてください。
また、弊社では健康し、食べ物で無農薬という野菜があるように、肌にふれる部分にホルムアルデヒドが極力無いように配慮した住宅を建てています。これからの健康を考える上で重点をおく部分になってきます。目に見えない、感じづらい要素だからこそ気を付けていかないといけない部分だと思っています。
オズコンセプトは、無垢・珪藻土・漆喰・クロス・畳など手に触れるところは自然素材の内装材を使って家を建てている会社です。
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自由設計の住宅を中心に、家族の暮らしに合った家を建てています。
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