家の老朽化や使い勝手、水回りを始めとする設備の使い勝手が悪いというときに考えるリフォーム。お風呂やトイレなどの一部設備だけを取り換えリフォームをする数十万円のリフォームものから、TVなどで見る施工前・施工後のような1千万円台の大掛かりなリフォームまであります。
また、住まい手の高齢化や、身体的要因で生活様式の変更が強いられた場合のリフォームもまた、特別な配慮が必要です。
それぞれの家族によって、生活様式は異なりますが、今回はその代表的なリフォーム箇所について考えてみます。ここでの参考価格はある程度の目安としてお考えてください。リフォームで人気が高い箇所の注意点と目安価格を書いていきたいと思います。
もくじ
- キッチン
- 浴室
- トイレ
- 洗面台
- 和室を洋室に変更する
- バリアフリー
- 二世帯住宅
1.キッチン
キッチンを対面に変更したり、食洗機など設備の規模や、火まわりをIHクッキングヒーターにするかなどの選択する種類によって異なりますが、平均的には150万円前後となります。
折角作り替えても使い勝手がよくなければ、リフォームの意味がありませんよね。
一般的に女性の方は一番使用頻度の高い場所となりますから、古くなったから取り換えればいいといった金額ではありませんの。
普段の生活から、「こういう風に使いたい」「こうあったら便利だな」というポイントを明確に伝えることが必要となります。いわゆる、「家事動線」を我々と一緒にじっくりと考える事がポイントとなります。
単純に新しいシステムキッチンと入れ替えができればいい、といったケースでしたら、最新モデルもいいのですが、在庫品や型落ちがないかと聞いてみるのもよいでしょう。車などと違い、燃費が良くなる事もなく、劇的に変化がない不動の商品になるので、最新モデルでなくていい場合があります。ただ、デザインに関してはその時々による流行りが取り入れられているので、優先順位的にデザイン性が上位にある場合は最新モデルがいいでしょう。
また、建材を取り扱うアウトレットのホームページなどからご自身で購入し、取り付けを業者に依頼するという方法もあります。これは「お客様支給」と呼ばれています。
もちろん、主たるパーツのみ購入し、他の部分(シンク下の棚など)は造作といった事も可能ですので、じっくり相談していただき、じっくり考えていきましょう。
工事的に可能、不可能や、違うアイデアなどもご提案出来ると思います。
2.浴室
冷たくて掃除がしにくいタイルのお風呂から、暖かくて掃除が楽なシステムバスにリフォームするのは憧れだと思います。
タイル貼りのお風呂からシステムバスに変更すると80~200万円と開きがあります。
その中で、現在のサイズで入るシステムバスに入れ替えるのか、面積まで大きくして広くするのかでも違いますし、システムバスに求める機能によってもかなり差が出ます。梅雨時期にお洗濯ものが干せたり、冬のヒートショックを防ぐための換気乾燥暖房機能を持たせたりと、選択の幅が広いです。
家の造りによって、老朽化などで給排水配管から取替えしないといけないケースも散見されますので、見えないところにお金がかかってしまうこともあります。単にシステムバスに入れ替えるだけ、というケースであれば費用はぐんと抑えられます。
3.トイレ
和式トイレから洋式トイレに変更。洋式トイレのみでなく、さらにグレードアップし内装までがらりと変えてしまう―ケースにより費用はまちまちですが、和式から洋式の場合40万円あたりが中心の価格帯となるでしょう。
リフォーム専門会社様の広告やホームページを見るとわかりますが、本体と施工料金をパックにし価格が明確なものが多いですよね。もちろん弊社も見積りになりますが、違いの無い価格でトイレリフォームが出来ます。便器が新しくなるだけでなく、ご家族やご自身がこれから年齢を重ねることや、思わぬトラブル(ぎっくり腰など)を考え合わせれば、手すりを1つ付けておくことをお勧めします。
4.洗面台
これは比較的価格も安く、明確な金額です。トイレと同様でパック料金になっているものもよくみられますよね。平均的な価格は、~50万円程度となります。
機能面にこだわり使いやすいといったこだわりや、ここだけは個性的に作りたいと思っている方もおられます。ご家族にとっても、使用している時間こそ短いものの、1日の中でも使用回数が高いのではないでしょうか。好みの鏡や手洗いボウル、蛇口が比較的簡単に見つかりますから、「好みにあった洗面台が作れる」のも魅力的です。
5.和室を洋室に変更する。
これも選択肢が広いです。洋室を和室に…かなり大雑把な値段でいうなら、~100万円でしょうか。
一番よく工事をするのが、和室の天井や床の間を一旦取り壊し、床の間をクローゼットに変更した工事をしています。サイズ的にも場所的にも最適です。
また、和室から洋室に変更といってもお家によってそれぞれで、床だけフローリングに変更をしたり、床の間と天井を残して床と壁の組み合わせだけといった工事もあります。
畳からフローリングに変更した場合、床が冷たいと感じる事があるので、畳床から床を上げる隙間に断熱材を入れたり、無垢材を使ったフローリングにしても冷たいといった事がなくなります。
6.バリアフリー
段差を無くすのが一般的ではないでしょうか?
突き詰めていくと複雑なのですが、現在の状態を助ける家にするのか、その後の状況の変化をも含めて考えるのかでまったく造り方が変わってきます。
ご高齢の方に配慮して、というのであれば、手すりや段差をなくす程度でよいでしょうし、車いすを使用することまで考え合わせるのであれば、車いすの回転を助けるために廊下を広く取るなどの大掛かりな工事となります。
トイレや浴室の変更も必要でしょう。これについては、ケアーマネージャーさんがおられる方はまずは相談してみてもいいですし、私たちも多くの介護改修工事をしてきていますので、バリアフリーに関してのノウハウを持ちあわせています。
家を一生涯の住まいとするためには、様々な方面から多角的に考えていかなといけませんね。
7.二世帯住宅
今ある家を二世帯住宅にするのも、配慮を必要とする分野です。家族同士の共有部分がどこまでかを考える必要があります。キッチンもお風呂も完全に別個にする「分離型」、それらを共用する「一部共用型」、玄関やリビングまでもを一緒に使う「完全共用型」などに分類されます。
当然のことながら、リフォームしようとしている家の状況や、どの型を希望するかにより費用は全く異なります。平均的な価格の算出が難しいところです。1例として、2階にキッチン、シャワー室、洗面室、トイレなどを新設した場合、約400万円となります。今あるお家により大きく変わるので、相談して頂くのが一番です。
一番大切なのは家族関係。双方で生活スタイルも違いますし、双方が折り合いを付けられるラインをきちんと見極めることが大事です。バリアフリーと同じく、かなりの費用が必要なだけに「こんなはずではなかった」という後悔をしないよう、焦らずにじっくりと話し合いをしてください。
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まったく違う部屋になって生活様式が変更出来るのがリフォームの価値だと思います。
まとめ
リフォームと一言で言っても、単に設備を変えればよいものから、その後の暮らし方まで劇的に変化してしまう大型工事まであることがお分かり頂けたと思います。いずれのケースでも一番大事なのは「きちんと優先順位をつけること」だと思います。
テレビでしているように、一度に施工できる方が部屋と部屋のつながりもキレイになり一番効率が良いですが、工事中の暮らしを考えると、緊急の場合を除き、少しずつ手を入れてゆくのがベストでしょう。せっかく家を手直しするのですから、その後も充分に機能するよう、じっくりと優先順位を決めながら進めていきましょう。