自然素材の家は無垢を使っていたら、なんでもいいと思っていますか?
憧れだけで成分、産地などわかっていない。これはすごくもったいない事だと思います
なぜならあと少しこだわれば最高の自然素材が手に入るからです。そして、これを読めば今まで以上に自然素材が好きになると思いますよ。
目次
- 自然素材住宅とは?
- 自然素材にはどんなものがある?
- 集成材と木材の違い。
- 木の種類による違い
- 国産材を使うメリット
1.自然素材住宅とは?
「自然素材の家」と聞いて、あなたはなにをイメージしますか?
天然の木材をふんだんに使った家ですか?それとも、シックハウスに悩まされることのない家でしょうか?
素材や健康に配慮することはもちろん、そこで暮らす人が心地よく、長く住み続けられることも自然素材の家ならではです。
「念願のマイホームを手に入れたけれど、なんだか体調が思わしくない…」。いわゆるシックハウス症候群は、建材に使われる塗料や接着剤に含まれるホルムアルデヒドなどの有機溶剤、木材に塗布される防腐剤などの化学物質が原因で起こるといわれます。このため、新築の住宅には24時間換気システムを設置することが義務づけられています。つまり、24時間換気をしていないと、健康を害するおそれがあるということ。残念ながら、現代の生活においては、すべての原因物質を取り除くことはできません。しかし、防腐剤不使用の木材を使ったり、化学物質を吸収・分解するはたらきのある漆喰(しっくい)や珪藻土(けいそうど)などを使ったりすることで、その害を限りなく少なくしていくことが可能となります。
また、自然由来の素材は、人に対してやさしいだけでなく、自然と調和し、環境を汚すこともありません。
選りすぐりの材料を使い、見た目や機能性にも優れ、心と体を癒してくれる住宅こそが、本物の「自然素材の家」と言えると思っています。
2.自然素材にはどんなものがあるの?
「自然素材の家」の中心となるのは、やはり木材。土台や柱などの構造部分はもちろん、床や壁、天井などに無垢材を使うことで、独特のやさしい風合いが生まれます。
壁には、貝殻や海藻の化石に海藻糊などを加えてつくった漆喰や珪藻土が使われることも少なくありません。調湿効果、CO2吸収効果、ホルムアルデヒドの吸収・分解といったはたらきがあるほか、見た目にもやさしく素朴であたたかみがあるのが特徴です。また、和紙や珊瑚を使った塗り壁、コットンや麻、絹などの自然素材から生まれた織物壁紙など、その効果もさることながら、個性的な演出ができるのも魅力です。
また、内装の素材だけではなく自然素材の家だから、見えない部分や仕上げにも徹底的にこだわりたいものですよね。断熱材も天然木質繊維をはじめ、コットンなど種類もさまざまです。これまで一般的に使われることが多かったグラスウールは価格が安い反面、吸湿性が低く、結露ができやすいのが難点でした。一方、天然木質繊維断熱材は、湿気を透湿・吸放湿してくれます。結露ができにくいのが最大の特徴。湿度が高いときには吸湿し、低いときには放湿して、部屋の湿度を一定に保ってくれます。
ホルムアルデヒドなどの化学物質を含む接着剤は、自然由来のものに変えれば安心です。例えば、お米を原料とした接着剤は、木工用ボンドの4〜7倍もの接着力があるうえ、万が一口に入ったとしても食品が原料なので体に害をおよぼす心配がありません。
家族の健康や心地よい暮らしのためにも、安全で安心な素材を選びたいですね。
3.集成材と無垢材の違い
同じ「木」を使った家なのに、本物の木の家と、そうでない木の家とがあるのはなぜでしょう。前者は天然木である無垢材を使った「自然素材の家」、後者は合板やベニヤに代表されるような集成材を使った「自然素材風の家」と言うことができるかもしれません。
集成材は薄くカットした木材を接着剤で張り合わせたものです。一見すると木のように見えるため、「無垢材とどこが違うの?」と疑問にもたれる方が多いです。
無垢材、つまり天然の木を使った木材は、製材してからも呼吸を続けています。このため、木が持つ調湿性や脱臭性、遠赤外線効果によって、夏涼しく冬暖かい、一年を通して快適な住まいが実現します。集成材のように接着剤を使用していないので、化学物質によるシックハウスやアレルギーの心配も不要です。
家を壊したときや建材を燃やしたときも、有害物質や有毒なガスを発生させることがないため、環境や健康にも影響をおよぼすことがありません。
集成材は、無垢材のように反りやねじれがなく、強度が高いといわれています。また、無垢材では難しい巨大な一枚板の加工や曲面などをつくることを得意としています。とはいえ、たとえ無垢材であっても、しっかりと乾燥させることで狂いを少なくしたり、強度を高めることは十分可能です。なにより、無垢材だけが持つ、木のあたたかさや、やわらかさ、そして体と心を癒してくれる健康効果は、本物の自然素材の家だからこそ得られる魅力のひとつでしょう。
4.木の種類による違い
スギやヒノキ、カラマツやケヤキなど、木の種類によってその性質や用途は異なります。
一般的に土台や柱など、家の構造部分に使われることが多いのがスギやヒノキ、マツです。スギは日本でもっとも多い木で、比較的安価で手に入れることができます。木目がまっすぐで、柔らかく加工がしやすいので、天井や壁、建具など、幅広い用途があります。水にも強く、スギの赤身は、古くは船の材料にも使われていたほどです。一方、ヒノキは高級木材というイメージがありますが、これはスギなどと比べて成長が遅く、建材として使えるまでに時間がかかるため。強度があり、耐水性、耐久性に優れ、光沢がある木肌と独特の芳香が特徴です。
カラマツは寒冷地に多い種類で、成長が早いのが特徴。柱や梁、垂木などのほか、床材や壁材にも使われます。赤身や節が多いため、味わいのある仕上がりが魅力です。同じマツでも、いわゆるパインと呼ばれるものは、北欧産のアカマツを指すのが一般的。女性に人気の北欧家具にもこのパイン材が使われています。
水回りに最適なのがサワラです。水や湿気に強く、防ダニ効果もあるといわれ、浴室や浴槽のほか、桶などの材料としても重宝されています。ちなみに、スギやヒノキ、カラマツやサワラは針葉樹の仲間です。
これに対し、ケヤキやナラ、サクラといった広葉樹は硬く、加工が難しいものが少なくありません。反面、傷がつきにくいので、床材などとしてよく利用されています。中でもケヤキは耐久性が高く、寺社の建築や大黒柱にも使われています。サクラは木目が美しく、家具や工芸品の材料としても人気の木です。
5.国産材を使うメリット
「地産地消」という言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。地産地消とは、その地域でつくられた農産物などを、その地域で消費することです。これにより、輸送費用を抑えられえるだけでなく、食材や食文化への理解を深め、地域経済の活性化にもつながるという考え方です。
これは、木材にもあてはまることです。日本には日本独特の気候があり、山には日本ならではの木が茂っています。つまり、国産材を使って家を建てるということは、日本の気候に合った木で家を建てるということ。雨が多い日本では、湿気に強い国産材を使うのがもっとも理にかなっているのです。もちろん、輸送費は安く、輸送にかかる時間も少なくてすむので、シックハウスの原因となる防虫剤や防腐剤を使う必要もありません。
国土の7割を占める森林は、日本が誇る豊かな資源です。しかし、残念なことに森は荒れ、時として自然災害を引き起こす原因となります。日本の木を使って家を建てるようになれば、山にも手が入り、森はよみがえります。緑が増えれば、温暖化の進行を防ぐことも可能です。また、そこには人が働く場所も生まれるでしょう。
建築に使われなかった端材は、薪として再利用することもできます。その際に発生するCO2は、カーボンニュートラル(※)という考え方によって、あらたなCO2の排出を抑えます。
国産材を使って家を建てることは、森と人とが循環し、暮らしと環境を守ることにつながるのです。
※薪の燃焼によって発生するCO2は、もともと木が成長する過程で取り込んだものであり、大気中のCO2を増加させるのではなく、大気中に戻ったという考え方。また、ほかの木が成長する際に再度吸収されるという、CO2の循環をあらわした言葉。
ぱっと見て集成材も無垢材も同じ木には変わりないので、どちらを選んでもいいのでは?と思われた方も多いと思います。
見た目の判断もそうですが、中身を知ることで本当の事が見えてくるものです。
中身を知ることが自然素材の家づくりにおいて大事な事だと考えています。
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